Virtual Connectインターコネクトファームウェアのアップグレード時の可用性の維持

Virtual Connect(VC)インターコネクトはファームウェアアップデートプロセスのアクティブ化ステージで再起動するため、これらのモジュールへのサーバー接続が中断されます。冗長ハードウェア構成、ネットワークとアップリンクセットの冗長接続、およびサーバー自体へのNICチーミングの適切な構成を確保することにより、モジュールファームウェアのアクティブ化の影響を最小限に抑えることができます。以下のネットワーク設計の手法を使用することをお勧めします。HPE FlexFabricインターコネクトをアップデートする際にも、アプリケーションの機能停止を回避するためにSAN接続を冗長に構成する必要があります。

ネットワーク接続の設計時に、VCインターコネクトのファームウェアアップデートプロセス中に中断することなくトラフィックの通過を続行するために、サーバーアプリケーションの機能に影響を与える可能性のあるすべての依存関係を考慮してください。ダウンタイムに敏感な環境でファームウェアをアップデートする前に、次のような冗長設計の要素を確認します。

構成

説明

スタッキングリンク

VCインターコネクト間にスタッキングリンクを構成し、任意のサーバーがサーバーの場所に関係なく論理インターコネクト内の任意のネットワークまたはアップリンクセットにネットワークによって到達できるようにします。これは、ファームウェアのアップグレード時の機能停止に耐える個々のVCインターコネクトの機能において主要な役割を果たします。

ファームウェアのアクティブ化

ファームウェアを手動でアクティブ化するか、REST APIを使用してアクティブ化のスクリプトを実行し、ネットワークの機能停止を最小限に抑えます。この場合、モジュールのアクティブ化の順序は、ファームウェアのアップデート中にネットワークやストレージの接続が中断または維持される仕組みに関して重要な役割を果たします。VCインターコネクトファームウェアのアクティブ化を交互に行うことをお勧めします。

  • サーバーのネットワークおよびストレージ接続が水平方向に隣接したVCインターコネクト全体に冗長構成されている場合、左側と右側(奇数と偶数)のモジュール間で交互にアクティブ化を行うことにより、ネットワークおよびストレージ接続の中断を最小限に抑えることができます。

  • サーバーのネットワークおよびストレージ接続が垂直方向に隣接したVCインターコネクト全体に冗長構成されている場合、両方のアダプターポートへのサーバーの接続が失われないようにすると同時に、ネットワークおよびストレージ接続の中断を最小限に抑えるために、アクティブ化の順序を交互にする必要があります。

A側およびB側の接続

A側およびB側の両方の接続を持つイーサーネットおよびファイバーチャネルネットワークを作成し、アップリンクセット内のすべてのアップリンクを常にアクティブな状態にできるようにするか、または制御されたフェイルオーバーを提供できるようにします。

冗長ネットワーク接続

NICチーミングおよびvSwitch構成を設定し、ネットワーク接続の冗長、高速ネットワークパス障害の検出、および冗長パスに対するタイムリーなフェイルオーバーを確保します(利用可能な場合)。

次のオペレーティングシステムの設定を使用して、より高速なリンク障害の検出とフェイルオーバーの初期化を行うことができます。

  • 通常の動作条件で、Smartリンク設定は、対応するサーバーのNICポートを無効にして、vSwitch、vDS(vNetwork Distributed Switch)、またはチーミングソフトウェアで個々のNICポートの状態を変更します。これにより、オペレーティングシステムは障害を検出し、トラフィックを代替パスに移動させます。Smartリンクが設計どおりに動作するように、有効なDCC(Device Control Channel)互換のNICファームウェアおよびドライバーをサーバーにインストールする必要があります。ただし、ファームウェアアップデートプロセス中に、アクティブ化のためにVCインターコネクトをリセットする場合、インターコネクト管理プロセッサーが再起動されているため、SmartリンクとDCCプロトコルは、リンクがダウンしたことを示すメッセージをNICに送信することはできません。このため、ファームウェアアップデートアクションを実行中、VMware ESXi Serverネットワーク構成で、リンク状態のみに対してvSwitchまたはvDSネットワークフェイルオーバー検出オプションを構成することによりリンク障害を検出するのは、NICおよびホストOSの責任です。

  • VSphere環境では、高可用性(HA)モードをオフにするか、またはvSphere HAのタイムアウトをデフォルトの13秒から30~60秒に増やすことをお勧めします。これらのオプションが構成されている場合、すべてのゲストオペレーティングシステムは、アップグレードおよびスタッキングリンクの再収束と最適なネットワークパスの再計算によって予想されるネットワークの機能停止を免れることができます。

  • ネットワークフェイルオーバー検出オプションまたはHA設定を変更できない環境では、ファームウェアアップデートのファームウェアのステージング(アクティブ化用)オプションを使用します。VCインターコネクトはアップデートされますが、アクティブ化されません。OAによってVCモジュールを再起動するか、UIで論理インターコネクト > アクション > ファームウェアのアップデートの順に移動し、ファームウェアのアクティブ化を選択して、ファームウェアを手動でアクティブ化できます。

  • 一部のスイッチのスパニングツリーエッジポート機能により、スイッチポートは、スパニングツリーの「リスニング」および「ラーニング」ステージをバイパスし、「フォワーディング」ステージにすばやく移行することができます。この機能を有効にすることにより、エッジデバイスは、スパニングツリー上で待機する必要なしにネットワーク上ですばやく通信を開始し、デフォルトのスパニングツリータイマーで30秒以上かかる可能性のあるプロセスのループを防ぐためにポートをブロックする必要があるかどうかを判定します。VCインターコネクトはエッジデバイスであるため、この機能により、サーバーのNICは、さらに30秒間待機することなくネットワーク上で即座に通信を開始し、スパニングツリーアルゴリズムで再計算することができます。

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